2020年5月11日月曜日

新商品「にしかんじゅんまい」



新商品「にしかんじゅんまい」が発売になりました



イラストは4つのお米つぶ(社長直筆)。4種類のお米と4軒の農家さんそして4年目の挑戦を現わしています。

日本酒造りでは、一つのお酒を仕込むのにお米を4回に分けて投入します。1回目は「酒母(しゅぼ)」。まずは小さいタンクで少量のお米を使い、酵母を増殖させながら醗酵を行います。いわゆるスターターというものですね。

その後、大きいタンクに移したら2回目、3回目、4回目のお米を投入します。なぜ一度にまとめて投入しないかというと、理由はいくつかあるのですが、一番は「清酒酵母が薄まらないようにする」為です。

お酒のタンクの中は雑菌や良くないカビが入り込む危険性があります。それらの菌やカビが過剰に増えてしまわないよう、酒造りに適した「清酒酵母」をたっぷり増殖させる事でブロック出来るのです。タンクの中に清酒酵母がいっぱいに増えたら追加の米、その米を栄養に清酒酵母がまたいっぱいに増えたらまた追加の米という具合に、継ぎ足し継ぎ足しお米を投入していきます。この工程の事を3段仕込みといいます(4段仕込みという製法もあります)。

「にしかんじゅんまい」では4回のお米の投入のタイミング毎に、毎回違う農家さんが育てた違う品種のお米を使って仕込んでいます。

・酒母米  五百万石 【岩室酒米部会】(最初の投入)
・添米   亀の尾【そら野テラス】(2回目の投入)
・仲米   コシヒカリ【山田哲也】(3回目の投入)
・留米   越淡麗【鈴木哲】(最後、4回目の投入)





挑戦醸造~笹祝challenge brew肆ノ巻~



5月のにしかんの景観。新潟を代表する大稲作地帯のにしかんはこの頃になると田植えの準備であたり一斉に水が貼られます。角田山が綺麗に水面に反射しています。


はっきり言って、一本のお酒で4種類のお米と使うのはとても手間がかかります。酒母・添・仲・留のそれぞれの工程では麹も仕込まなければなりません。このお酒は4種類のお米の麹と4種類の掛米(醗酵のエネルギーになる米)の計8種類の原料処理をそれぞれしなければなりません。現場はとってもこんがらがりました(笑)

実はこのお酒、毎年リリースしている笹祝酒造の挑戦醸造 challenge brewチャレンジブリューの肆(よん)ノ巻。4年目のトライアル酒なのです。(旧字の4が肆と書く事は社長もこの度しりました)

笹祝challenge brewについてはコチラを見て頂ければ幸いですhttps://sasaiwaishuzo.blogspot.com/2019/07/challenge-brew_3.html





にしかん4農家の物語を紡ぐ酒



岩室酒米部会の農家 竹内さん。酒母に使用した五百万石に携わってます

4年目のchallengeだけに4農家の4種類の酒米で仕込んだ今回の酒。「にしかんの農家を知る、知ってもらう」をテーマにしています。

日本酒のPRはどうしても製造者である酒蔵が主役になってしまいます。今回は笹祝酒造がお世話になっている農家さんにスポットライトがあたる日本酒が作れないかと考えました。

大切なお米を育ててくれる農家さん。普段どんな事を考えて、どんな生活をしていて、これから先の未来に向けてどんな挑戦をしているのか。

お米を頂いている笹祝酒造も、笹祝の日本酒をご愛飲頂いている皆様にも今一度知る事が出来たら、日々食べるお米や飲む日本酒がもっと愛おしく、素敵なものになるのではないかと考えました。




にしかん農家の生の声




お米は笹祝が日々お世話になっている地元新潟市西蒲区の4農家さんから購入させて頂きました。皆さん笹祝の蔵から5分10分の距離の田んぼでお米作りをしています。

今回の新たな取り組みとして、4農家さんに米作りの忙しい時間を空けて頂き、インタビューを撮影して回りました。

インタビューの中身は、その土地でそのお米を育てる理由や地域の事、これからの未来に対して考える事。challenge brew メンバーの岸本商店さん、わたご酒店さんのご協力も得て動画を完成に漕ぎ着け、笹祝酒造のyoutubeにアップしました。

聞こえてくるのは全て「生」の声。飾らないままの、にしかんの暮らしや営みが見えてきます。にしかんじゅんまいのテーマは「農家さんを知る、知ってもらう」なので、このインタビューは必ず観て頂きたいです。

お酒の瓶にもQRコードを付けました。そちらからジャンプすることが出来ます。









農家さんへ。ささやかなお返しを




「にしかんじゅんまい」
品質:純米酒
酒米:五百万石、亀の尾、コシヒカリ、越淡麗
精白:65%(最も低精白が65%。58~65の間です)
アルコール:15度
日本酒度:+1
酵母:越後酋楽会s-3酵母

1800ml 2750円
 720ml 1500円
 カップ   454円(各税抜)

「にしかんじゅんまい」のデータです。このうち1800mlと720mlの売り上げ1本あたり100円程を笹祝酒造から農家さんへ何かの形で還元することを当初考えていました。それを農家さんの一人に相談したところ「自分たちにとって一番うれしいのは、自分たちの作った作物を食べて美味しいって思って貰える事です」と言いました。

そこで今年の「にしかんじゅんまい」では同じように1800mlと720mlの1本あたり100円程の利益を使い農家さんの作物を購入して、笹祝酒造のお酒を応援して頂いている皆様に抽選で発送させていただく事を検討しています。

皆さん、お米以外にも大豆や果物や野菜など様々な美味しいものを作っています。送る季節に出荷できる作物の取りまとめ等、調整が必要そうなことが多く、発送がいつになるかはわかりませんが。。。これをゴールに「にしかんじゅんまいプロジェクト」を進めていこうと思います。


にしかんじゅんまい の味わい




とてもシンプルです。ここ数年に新しく仕込んだパンダ酒や生酛やサササンデーのような個性に富んだお酒ではありません。穏やかで、柔かくて、フラットな純米酒である事を心がけました。ある意味で初心に戻った優しいお酒。

お猪口の中。お酒の向こう側。農家さんの顔とにしかんの景色がみえるといいな!


※ 7月10日 追記




2020年5月9日土曜日

蔵元雑記

アフターcovidを考える


東京都のcovid-19新規感染者数が6日連続で100人を下回りました。

目の前の数字で一喜一憂は出来ませんが、そろそろアフターcovidについて考えてみてもいいのかなという気持ちになりますね。もちろん引き続き感染症対策(3密を避ける、手洗いうがいマスク)を徹底したままで

回復する産業と苦戦したままの産業


covid感染の渦中にあった時のツイッター投稿では「covidが終わったら何する?」という投稿が沢山上がっていました。

ご飯を食べに行きたい/ライブに行きたい/デートしたい/両親友達に会いたい/生ビール飲みたい/ジムのプールで泳ぎたい/ディズニーに行きたい/直接会ってありがとうと言いたい etc.etc...

たくさんたくさん我慢してきましたから、やりたいことが山盛りです。その中で興味深い投稿を見つけました。


アフターコロナとなった中国の状況をお伝えします。 回復傾向 ・国内旅行 ・自動車産業 ・飲食店(テイクアウトメインに移行) 引き続き苦戦 ・フィットネスクラブ ・エステ ・ナイトクラブ・Bar ・タクシー ※地域によって格差アリ 日本の将来を占う指標にしていただければ

国内旅行、これが爆発的に需要が伸びているそうです。上海ディズニーランドはチケット販売再開するやいなや数秒で完売、数分後には窓口停止になるほどだったとのこと。海外旅行がまだまだ難しいとなれば、逆にその分国内への旅行は大きい大きい跳ね返りがおきそう。

飲食はテイクアウトが完全に定着したようで(もともと土台があった)、そこを中心とした伸びがまだまだあるようです。現在店を休業してテイクアウト事業を行っている料飲店さんは、そのノウハウがそのままアフターcovidでも活かされるかも。但し店舗営業では感染リスクへの注意は行ったままの世界になりそう。押し合いへし合いワイワイガヤガヤの居酒屋の雰囲気が僕は大好きなのですが。。。。その世界が戻る日は来るのか。酒の陣はどうなるかな?

ともあれ、換気やスタッフと客の体調管理に入店時の手洗い喚起は文化として残りそうですね。

ブランド品の服飾はアフターcovidに合わせて大セール中、ここを逃さじと富裕層が買いあさっているようです。タイムラグがありますが、これから外に出かけられるとなれば化粧品や服飾関係も一気に持ち直しそうな気配。

自動車はどうなんでしょう。テレワークが定着して地方でも都会と遜色なく仕事が出来るとなれば、何年か先には田舎への移住が増えて自動車の購入が加速するとか(浅い予想。。)




「引き続き苦戦」はなんともコメントが難しい。どれも性質上、濃厚接触が避けられない業態です。フィットネスはオンラインに、エステは訪問に、ナイトクラブは間隔開けて、バーはつい立越しに、タクシーはオープンカーに?

うーん、なんだか。なんだかだなぁ。。。

何にせよ



早く感染症が収まり経済活動が再開できるようになって欲しいですね。中国、台湾、韓国はアフターcovidに入りつつあります。世界のムード的にはアメリカが立ち直ったら(良くも悪くも)コロナを乗り越えたという流れになりそうです。

その時までに日本がぐずぐずやっていると、新しい経済圏にあっという間に置いて行かれそうです。国内でも同じ。東京が乗り越えた―となるその前に、新潟がcovidを乗り越えていないとビジネスパートナーとして置いていかれちゃう。


検査陽性者の状況(令和2年5月7日現在)
検査実施人数陽性者数入院中(準備中含む)退院
累計
1,852人
59人
27人
33人
前日比
+7人
±0人
-1人
+1人



新潟市の現在はこんな感じです。医療従事者は本当に頑張っていますし、市民意識もとても高い市町村だと思っています。でもいわゆる『自粛警察』はやっちゃダメですよ!


頑張って乗り越えていきたいです。


※現在試飲はお休み中ですが、小売店舗は営業してます(土日祝は社長ひとりで細々営業中)

5月10日(日)9時~12時、13時~17時
5月11日(月)10時~17時
5月12日(火)10時~17時
5月13日(水)10時~17時
5月14日(木)10時~17時
5月15日(金)10時~17時
5月16日(土)9時~12時、13時~17時
5月17日(日)9時~12時、13時~17時