皆を巻き込み造る酒
酒蔵、酒屋、飲食店、消費者。皆を巻き込み一から始める笹祝の挑戦醸造です。「どんな日本酒を造るか?」の企画会議からはじまり、醸造作業に携わり、お米がお酒に変化していく様子を共有しながら毎年一本のタンクにお酒を仕込んでゆきます。
【一年目の活動 壱ノ巻】
○「亀の尾」を使用した「生もと」の「純米酒」
「亀の尾」はかねてより笹祝酒造で使うお米の種類です。笹祝では地元の農家さんにお願いをして笹祝酒造のある新潟市西蒲区松野尾の地域で契約栽培を行っています。「亀の尾」は新潟の誇るコシヒカリなど、香味が優れる多くの品種に遺伝子を引き継いだ伝説的な米です。丈が高く、今では大変つくりにくい品種で、機械作業が主流の農業の中で消滅しつつあったのを現在は酒米として僅かに復活しています。
「生もと」とは古式の製法で、出来上がる前の日本酒を雑菌から守り、健全に育てる為に必要な酸を自然の環境から取り込む仕込み方です(現代の酒造りでは純度の高い醸造用の乳酸を加えることで代用しています)。「もとすり」という米と麹を櫂棒ですりおろす作業が必要になります。
「純米」とはその名前の通り、米(米麹)と水だけで仕込んだお酒です。昔は醸造アルコールという物は無かったので、お酒と言えばすなわち純米酒を指すものでした。
笹祝を昔から支え続けてくれる地元。その地元のお米を使って、浪漫ある昔ながらの酒仕込みを行いたいという想いで「亀の尾生もと純米」にたどり着きました。加えてタイトルの「壱の巻」には「これきりで終わらない、弐ノ巻、参ノ巻へと続けていく」。「(新潟市西蒲区)旧【巻】町への感謝」の意味が込められています。
○SNSと生の体験
壱ノ巻では、酒の方向性を決める「企画会議」から始まり、「もとすり作業と商品名会議」「製麹と麹投入作業」「アルコール度数と火入れや生酒の検討会」「ロットNo.書き込みとラベル貼り作業」と会議と実作業を含めてメンバーに5回もの召集をかけて力添えを貰い、発売まで漕ぎ着ける事が出来ました。
その一方で残念ながらメンバーが参加できない作業や打合わせにはFacebook上でメンバーのみが閲覧できる秘密の非公開グループを作成し、酒造りにまつわる全ての情報を写真と動画も併せてつぶさに公開・共有しました。参加したメンバーは皆、「これは自分が造った酒だ!」と自信と愛着を持ってくれると思います。お酒はシンプルな一枚ラベルですが、一本一本皆でロット番号を書きみ、手貼り作業にしたのもその為です。
商品名:笹祝 challenge brew 壱ノ巻 亀の尾生もと純米酒(春リリースは生原酒、秋リリースは火入れ原酒) 品質:純米酒 原料:亀の尾(新潟産)100% 酵母:越後酋楽会 S-3 酵母 精米歩合:65% 度数:17度(原酒) 価格:1800ml3000円(希望小売 税抜) 720ml1500円(希望小売 税抜)
【二年目の活動 弐ノ巻】
〇『活性生酛にごり&熟成生酛にごり』
壱ノ巻で得た「亀の尾100%の生酛」をベースに2種類のにごり酒を目指しました。「活性にごり」は酵母が生きたままの日本酒で、醗酵由来の自然な炭酸ガスにより発泡するスパークリング日本酒。熟成にごりはお燗専用のにごり酒として設計しました。
ところが、、、「活性にごり」の噴出が想定以上に強く、穴あきキャップを採用するもガスが抜けないというハプニングがあった為、発売中止。急遽、全量瓶火入れを行い、熟成と合わせて発売する事に。
商品名①:笹祝 challenge brew 弐ノ巻 亀の尾生もと純米にごり原酒 品質:純米酒 原料:亀の尾(新潟産)100% 酵母 :越後酋楽会 S-3 酵母 精米歩合 :65% 度数:15度(原酒) 価格:1800ml3000円(希望小売 税抜) 720ml1500円(希望小売 税抜)
前回同様、地元産の酒米「亀の尾」を生もと製法で仕込みました。モロミがアルコール15%、日本酒度-12のタイミングで全量手作業でザル越しを行い、手詰め⇒ビン火入れを行っています。ザル越し以降は無加水なので、かなりニゴリの濃い酒となりました。そこで味は薄めずに口当たりを良くする為に、『ザルで越した後の弐ノ巻のドロドロの酒粕をヤブタ上槽した原酒』を一割加えています。
甘み・酸味・口当たりの濃さにより、飲むヨーグルト様の味わいのお酒となりました。チャレンジ参加メンバーとしては人肌よりやや上げたくらいのお燗酒として楽しんで頂くのが希望です。
商品名② :笹祝 challenge brew 弐.伍ノ巻 亀の尾生もと二番しぼり純米 品質:純米酒 原料:亀の尾(新潟産)100% 酵母 :越後酋楽会 S-3 酵母 精米歩合:65% 度数:15度(原酒) 価格:1800ml3000円(希望小売 税抜)
弐.伍ノ巻(にてんごのまき)と読みます。弐ノ巻でも参ノ巻でもなく、「弐ノ巻の番外酒」という意味で名づけました。こちらは上記の弐ノ巻に一割加えられた『ザルで越した後の弐ノ巻のドロドロの酒粕をヤブタ上槽した原酒』です。笹祝酒造のニゴリ酒は米とぎ用のザルに入れて濾しますが、手作業では濾しきれない酒が粕の中にかなり残ってしまいます。これをポンプでヤブタに無理やり引き込み絞り上げる事が出来ました。某ビールメーカーの「一番し〇り」(一番しぼり麦汁のみを使った商品)になぞらえて「二番しぼり」という呼称を付けたのかも知れませんし、そうでないかも知れません(笑)
こちらはキリッと冷酒で飲むのがオススメです。甘酸っぱくジューシーで、プレ試飲を行った際には女性人気が高いお酒となりました。また、単体でこのまま飲む以外に特別提案したい飲み方があります。それは、、、『「弐ノ巻」をベースに「弐.伍ノ巻」で割って飲む』です。
新潟五大ラーメンの「西蒲区 濃厚味噌ラーメン」をご存知でしょうか?巻町発祥の濃厚なミソ味で、割りスープでお好みに薄めて食べます。そこから着想を得て、今回のCHALLENGE BREWは西蒲区の濃厚味噌ラーメンの如く『濃厚な「弐ノ巻にごり」を、おなじモロミから絞った割りスープ「弐.伍ノ巻」で好みに割って楽しむ』事が出来ます。
【三年目の活動 参ノ巻 ~サササンデー~】
〇『サササンデー』
壱ノ巻、弐ノ巻と継続してきた「皆を巻き込み造る酒」。その取り組みが地元情報誌にも取り上げられ、徐々に一般の方々の目にも留まるようになりました。今年3年目を迎えるにあたり、「今僕たちが取り組まなければいけない問題はなんだろう。日本酒消費が低迷する中で、僕たちが示せる未来の可能性に向けての挑戦はどんなのだろう。」と今一度立ち止まって考えました。
壱・弐では酒質へのマニアックな試み。日本酒の奥座敷的な楽しみ方への挑戦でした。そこで参ノ巻では日常の生活の中に日本酒が無い方へのアプローチ。つまり日本酒の新たな層へのアプローチ、つまり日本酒への入口をつくる挑戦としました。それは酒質だけではなく、新たな消費スタイルの提示。新たな切り口・ツールでのPR。新たな人の巻き込み方です。
その意味も込めて、今回は初めて商品名を付けました。その名も「サササンデー」です。
『皆で「参」加してつくる酒、「酸」を活かした酒、「Sunday(日曜)」でも「Sun(太陽)」の出ている昼間からも飲める、ライトで気持ちの良い酒』をテーマにしています。20歳になったばかりで、まだ甘いカクテルしか飲めなかった頃。日本酒が苦手だったあの頃。初心に戻り、そんな方々でも「美味しい!楽しい!」と感じてもらうのが狙いです。
商品ヴィジュアルは日本酒に馴染みのない20代の女性デザイナーにコンセプトのみを伝え作成。ひらがなの「さささんでー」が横に連なり、日曜の昼下がりに
友達や家族
大事な人と飲みたくなるようなお酒、という点から
「飲みやすさ」と「軽やかさ」を表現。人が並んで踊っているような、リズムを感じられるように考えられています。
「日本酒に興味がない人はまず一升瓶には手を出さない、720mlでも多いかも」というメンバーの声から、今回は180mlのいわゆる「カップ酒」スタイルをメインとしました。いままでカップ酒にあった「日本酒好きのおじさんが飲むもの」という感覚を払拭し、オシャレな「ワンハンド
ドリンク」として気軽に持ち歩いてもらい、アウトドアでも活躍することを願っています。
また味わいや見た目の爽やかさを+αで加えられるよう、カップにレモンを落として飲むスタイルを提案しております。
商品名 :サササンデー(笹祝challenge brew 参ノ巻) 品質:純米酒 原料:亀の尾(新潟産)100% 酵母 :きょうかいNo.28号酵母(リンゴ酸高生成多酸性酵母) 精米歩合:60% 度数:13度(原酒) 価格:180ml370円(希望小売 税抜) 720ml1400円(希望小売 税抜)
日本酒をもっと気軽に、もっと楽しく!今年のchallenge brew サササンデーをよろしくお願いいたします!!
☆笹祝の大切な地元酒「普通酒 新潟印」についてはコチラ
https://sasaiwaishuzo.blogspot.com/2020/03/blog-post.html
☆笹祝のもう一つの銘柄「竹林爽風」についてはコチラ
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☆ハイボール専用の日本酒!「笹祝酒造の清酒ハイボール」についてはコチラ
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☆笹祝のパンダ!「ザ・コシタンジュンマイ」についてはコチラ
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